Reports活動レポート

VHAメンターインタビュー

イベントレポート2026.03.31

Vision Hacker Assosiation(以下VHA)の4つの神器の一つであるメンタリングを支えるお二人に、メンターの役割や心得などお話を伺いました。
(左)山中哲男氏 (右)鈴木雅剛氏

ーーVHAのどういうところに共感して引き受けられましたか?
鈴木さん:社会課題の中でも医療・福祉・教育という領域は、お金が回りづらく、実装するまでにハードルが高いと言われる領域で、たくさんの起業家を生み出し、彼らが社会に対してインパクトを出していくのを応援したいという場であるというところに共感して参加しています。
山中さん:最近の支援プログラムは、数字のマジックに踊らされ、マーケット在りきのビジネスの作り方を評価される風潮がある中、私自身は、自ら立てたビジョンを軸に課題解決に向かってビジネスをしていくことが、やりきる力や、世の中を変えて行く変革の源になるのではないかと考えています。ビジョンや本人の意志を軸に育てて行く環境がとても大事であると思っていて、VHAのそうした方針やコンセプトに共感しました。

ーーどのようなところがVHAでご自身のキャリアが生かされていると感じますか?
鈴木さん:今まで社会起業家の方々をインキュべートしたり、ソーシャルビジネスをたくさん作ってきた中で、〝GOOD WILL(善き意志)〟が一番大事だと思っています。善き意志を持つ人たちがタレントやスキルを活かし、社会や誰かのために行動する、その仕組みづくりをずっとやってきました。VHAでも、そのGOOD WILLが、本質的にVisin Hacker(以下VH)のどこにあるのか、その根底が何であるかを受け止めながら、その発露や前進するためのパワーとなるソースオブエナジーを見つけだせるように取り組んでいます。今までその観点でたくさんの方を応援してきたことが役立っていると思います。
山中さん:私は企業様の新しい柱になる事業や、共同プロジェクトの開発など、ゼロイチフェーズの仕事をたくさんして来ました。あらゆる業種に携わり、共通していることは、意志やビジョンがあることは前提ですが、「距離感をうまく調整してあげると見える世界が変わる」ということです。対象が広すぎると、手触り感に欠けたり、ビジネス顧客が見え過ぎている時は少し引いてあげないといけないといった、〝距離感〟がビジネスを作る上で非常に大事だと思っています。VHAの方々が現状どういう状況で、その人たちが顧客に対し距離を縮めるべきか距離を置くべきか、見極めながらサポートする際にこれまでしてきたことが活かされているのではないかと思います。

ーー他のキャリア支援と比べて、どのような点がVHAの特色だと感じていますか?
山中さん:私は本当に多くのプログラムに参加していますが、人は、自分の弱いところや、蓋をしているところを突かれたら、逃げたり避けたりするので、伝える側も遠慮して参加者が傷つかないように、当たり障りのないようにするものが多く、ストレートに言ってもらえる場が年々減っていると感じます。そんな中、VHAでは、ビジョンを曖昧にさせず、徹底して本気で向き合い、変わって欲しいからこそ、その人に必要なことをストレートに投げかける場や、メンターやコーディネーター(以下CD)という人材、そして、何年も実施してきた〝カルチャー〟が根付いていることが、他のプログラムや環境にない魅力であり、独自性だと思います。
鈴木さん:山中さんとまったく同感です。インパクトをちゃんと出したい、社会や人々のための事業であるというところから降りてきているからこそ、みんなド真剣で、全力で、且つゴールをビジョンに基づいて大きく捉えようとするからこそのフラット感がすごくあると思っています。仕組み面では、CDが本当にすごいと思います。メンターとCDと、更に事務局のみなさんが良い場を作ってくださって、「フラット・全力・真剣」が当たり前の状態になっていることが、他にはなかなかないことだと思っています。

ーー「VHAのトリセツ」を教えてください。どのように使い倒せば良いですか?
山中さん:まず、これまでのVHの方々の中にも何名か見受けられましたが、背伸びしたり、格好つけたり、できる風に見せることは止めた方が良いです。なぜなら、メンターとCDは非常に経験値が高く、VHと真剣に向き合うと、その違和感に気づいてしまうからです。限られた時間の中で、そのことを指摘し、VHは、自分を守ろうとするというラリーはとてももったいないです。本来アクションし続け、解像度を高め、やれることの可能性を広げることに限られた時間をフルで使うべきです。分からないことや、不安は素直に口にしてもらうことで、もしかしたら、伝え方を変える必要があるかも知れないですし、VHAは「共に育つ環境」があるので、守りではなく、フラットに、オープンに向き合っていくことがVHAを最大限に活用いただけるポイントだと思います。
鈴木さん:こういうアクセラレーションプログラムに参加すると、ネットワークが手に入ったり、アイディアがもらえたり、〝得ること〟を目的にしがちです。VHAにもその側面はありますが、そこが目的ではありません。それよりも、仲間たちと一緒に、みんなが良い事業を作っていくため、自分のできることをみんなに共有し、みんなも自分ができることを共有するといった〝お互い様〟のマインドで良いインパクトを出しに行く場だと思っています。そういうマインドが無い人は参加しないで欲しいですし、逆にそういうマインドだからこそ、ビジョンもビジネスモデルも本当に良いものに磨きあげられ、VHAを使い倒せるようになるのだと思います。

ーーメンタリングで大事にしていることと、難しさを教えてください。
山中さん:メンタリングでは、参加者が相談したい課題を聞くのですが、課題設定そのものが間違っていたり、ズレていることが多くあるため、参加者が今持つべき課題は本当にそこか?と疑い、丁寧な現状把握を大事にしています。設定がズレたまま手段だけ述べても、事業の成長につながらないからです。難しい点は、最近の参加者は場慣れしていて、キレイな資料でキレイにプレゼンテーションする方が多く、また、自分を守るためにさらりと逃れる質問をする方が多いことで、本質的でリアリティのある課題感や現状をつかむまで掘り下げねばならず、少し時間がかかるケースが見受けられるところです。
鈴木さん:本人が何を本当にやりたいか、ということをちゃんと理解したいと思っていて、更に、それをやった先にどんな未来があるのか、一歩先に進んで見た時、何をやって行くべきなのかを落とし込むことを大事にしています。そして、本人の本音をしっかり理解したいと思うものの、そんなに簡単に分かるものではないので、そこに難しさを感じつつも、しっかり向き合って行きたいと思っています。

ーー時に厳しいことを伝えると思いますが、そこにはどのような意図がありますか?
山中さん:人は弱いところを探られたくないですし、特に公の場では触れられたくないものですが、そこと向き合うからこそ、表面的な格好良さや飾りではなく、自分の本心に深く入れるのだと思います。経験値の高い人からしたら、逃げたり、避けたり、蓋をしようとしていることは分かってしまうので、本気で向き合っていない姿勢に言い方が厳しくなってしまうのだと思います。厳しい言葉を受け入れることで、自分と向き合い、自分が逃げようとしていたことに気づく機会として活かしてもらえたらと思います。
鈴木さん:「事業は経営者の器以上にはならない」と言われますが、正にそう思います。とすると、事業のスケールを上げ、インパクトをちゃんと出して行くためには、本人は常に進化し続けねばなりません。変化というものは、自分の意思で内側から変わることが本質ですが、なかなか自らは難しいので、そのきっかけを大きく提供するために敢えて厳しく伝え、本人が意図しなかったことを言われたことによるギャップを作ろうと考えています。

ーーメンタリングによって参加者にどうなってもらいたいですか?
山中さん:一人で悶々と考えて事業を進めると客観性が見失われると思っていて、VHAはメンター、CD、そして事務局とが真剣に自分と向き合ってくれます。新しい視座を手に入れるということだけでなく、見えていない自分が見える、見えていない状況が見えるということにも近いと思います。自分だけでは見えない視点を持ち帰り、普段の社会実装に活かして欲しいと思います。
鈴木さん:自分を信じられるようになって欲しいと思っています。信じるというのは、自分が描いている未来に対して、この道を進んで行って良いのだと信じられる状態です。これは、単に自分だけでは絶対に出来ず、周りの仲間が一緒にやろう!と言ってくれたり、応援するよ、一緒に創りたいよ、と言ってくれることの積み重ねで信じられるようになっていくものなので、それを実現できる場にしてもらえたら良いなと思います。

PROFILE

山中哲男氏  鈴木雅剛氏

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